あるスーパーの企業再建始末記(2)


(前回のお話しは、こちらです) 

 

さて、このようにして、A社の経営改善計画書を用意することになったわけだが、実は、この「経営改善計画」を用意すること自体が、結構大変である。

 

経営改善計画書の一資料として、「(過去の)資金繰り表」「(未来の)資金繰り予想表」「事業計画」などを用意するわけだが、大体において、債務整理をしようとする会社の多くは、資金繰り表も事業計画も作ったことがなく、途方に暮れるというのが通例だ。

 

A社の場合も、例外ではなかった。

よって、まずは、資金繰り表や事業計画の作り方から指導するわけだが、やり方を指導したからと言ってすぐに指導通りに資金繰り表等を作れるようになったら苦労はないわけで、今回も、A社から、

「すみません、手伝って下さい」

と、頼まれてしまった。

 

そこで、自分が直接A社へ行き、社長や経理担当からヒアリングしたり帳簿を見せてもらったりしながら、過去数年・数ヶ月の推移からして売上高はこのぐらいだろう、取引先との力関係からみて粗利益率はこの程度になるだろう、最終的な損益はこの程度だろうと見極めをつけながら、何とか、金融機関に開示できる程度の事業計画を作っていった。

このとき、最後の数日間は、夜の11時頃までA社の担当者と電話でやり取りしながら作っていたのを覚えている。

 

このようにして用意した事業計画について、所長弁護士から何回か手を加えられたが、どうにか、金融機関向けの説明会には間に合い、説明会も無事に終了した。

 

しかし、これで一安心というわけにはいかなかった。

 

金融機関向け説明会から約2週間立った頃、A社からFAXが届いた。

そのFAXには、「不動産仮差押決定」と書かれていた。

つまり、A社の不動産が、金融機関によって、仮差押えを受けてしまったのである。

 

(つづきは、こちら