楽天優勝セールに見る「不当表示」かどうかの見分け方

 プロ野球,楽天イーグルスが優勝しましたね。

 横浜大洋ホエールズ以来,ベイスターズのファンである自分にとっても,弱小球団だった楽天の優勝は元気づけられる出来事でした。

 (DeNAさん,最下位脱出おめでとうございます。来年はAクラス入りを目指しましょう。)

 

 さて,そんな楽天の優勝を記念して行われた,楽天市場での楽天日本一セールですが,一部の商品で”不当表示”疑惑が持ち上がっているとか。

 

 「抹茶シュークリーム10個の通常価格1万2000円のところを割引価格2600円で販売」

「iPhone4sを通常価格43万3915円のところを割引販売」

 

などの表示があったようです。

 

 吉野屋の牛丼4杯分と同じ値段のシュークリームがあるのなら,その「至高の味」をぜひ味わってみたい気もしますが,まあ,上のような極端な例ならば,感覚的に,店の表示が不当表示であることはすぐに分かります。

 

 では,そこまで極端でない場合,それが「不当表示」であるかどうかは,どのようにして見分けるのでしょうか。

 

 この問題は,価格表示のあり方の問題ですが,価格表示については,不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)という法律が規律しています。

 そして,景品表示法第4条1項2号は,

 「著しく有利であると一般消費者に誤認される表示」

を不当表示として禁止していますが,公正取引委員会は,「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」というガイドラインで,

 

  • 「通常価格」での販売実績が2週間未満の場合
  • 最後に「通常価格」で販売されていた日から2週間以上経過していた場合

のいずれかの場合は,消費者に有利であるとの誤認を与える恐れがあり,景品表示法上問題があるとの見解を出しています。

 

 ですので,今回の楽天市場のケースでも,以上の2つのいずれかに当てはまっていれば,景品表示法違反ということになります。

 

 今は,事業者は,ホームページ,ブログ,メールマガジンなどで,消費者に対して直接広告を遅れるようになりました。

 このことは良いことなのですが,反面,広告についての法規制を知らないまま,思いがけず違法な広告に手を出してしまうという危険性も高まっています。

 

 事業者が消費者にダイレクトに情報を送れるということは,反面,消費者も,事業者の情報をダイレクトにチェックできるということです。

 くれぐれも,「うっかり法律違反」には注意しましょう。

(シュークリームやiPhone4sのケースは,確信犯的な匂いを感じますが。)