「経営革新等支援機関」に認定される

 少し前の話だが,3月21日,中小企業庁から,「経営革新等支援機関」という資格の認定を受けた。

 

「経営革新等支援機関」とは,はなはだ覚えにくい名前である。私は今でも,時々,「経営改善等支援機関」と間違える。

 

 それはともかく,「経営革新等支援機関」とは何か。中小企業庁の説明によると,

 

 「近年、中小企業を巡る経営課題が多様化・複雑化する中、中小企業支援を行う支援事業の担い手の多様化・活性化を図るため、平成24年8月30日に「中小企業経営力強化支援法」が施行され、 中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う経営革新等支援機関を認定する制度が創設されました。
 認定制度は、税務、金融及び企業財務に関する専門的知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上の個人、法人、中小企業支援機関等を、経営革新等支援機関として認定することにより、 中小企業に対して専門性の高い支援を行うための体制を整備するものです。」

 

 というものらしい。

 

 が,これだけでは良く分かるまい。そもそも,「経営革新等支援機関」の支援を受けることによって,どのようなメリットがあるのか。

 その質問に対し,一言で答えるのはとても難しい。中小企業庁から配付されたマニュアルであれば,要領よくまとまっているだろうと思ったが,300頁近くあったので,あっさりと挫折した。

 

 が,「経営改善支援」に限れば,具体的なメリットを説明できる。

 

  1. 中小企業再生支援協議会が関与する事業再生支援手続において,経営革新等支援機関の支援を受けて経営改善計画を作成したり財務査定を行ったりした場合,総額300万円を上限として,費用の3分の2について補助が出る。

  2. 公的金融機関(日本政策金融公庫,商工中金)で,経営革新等支援機関の支援を受けることを前提として,セーフティーネット貸付制度による融資を受ける場合,金利が最大で0.6%安くなる。

  3. 経営革新等支援機関の支援を受けることを前提に,信用保証協会の保証を受けて,複数の債務を一本化するための借り換えを行う場合,保証料が安くなる。

 特に,1と2は,悪くない話ではないだろうか。

 その中でも,1の事業を実施するため,安倍内閣は,平成24年度補正予算として405億円の予算を組んだので,予算に余裕がある今のうちに利用するのが,オススメである。

 

 さて,この「経営革新等支援機関」という資格,実は,認定を受けるのは,それほど難しくない。

 何しろ,昨年8月から今年の夏までの間に,約10000機関を認定することになっているらしく,そうであれば,認定基準が多少緩やかになるのはやむを得まい(ちなみに,4月26日現在,8165機関が認定されている。)。

 弁護士の場合で言えば,実務経験3年以上で,会社の破産管財人をやった経験があれば,おそらく認定を受けられるだろう。

 

 だが,今のところ,弁護士で,経営革新等支援機関の認定を受けた者は,それほど多くない。

 

 次回は,その辺りのお話しをしようと思う。