個人版私的整理ガイドラインの活用状況

東日本大震災により、震災前に行った住宅ローンなどの返済が困難になった個人債務者を対象に、一定の要件で債務免除を認めるための手続として、「個人版私的整理ガイドライン」というものがあります。

 

これ、平成23年8月下旬から運用が開始されているのですが、被災地でもあまり知られていないようです。

個人版私的整理ガイドライン運営委員会の発表によりますと、平成24年12月14日までの累計相談件数が3419件、正式な申出に向けて準備中の件数が526件、正式に手続中の件数が439件、債務整理の成立した件数が163件ですから、おおよそ1ヶ月に10件のペース。被災者の数に比べると、ちょっと・・・いや、かなり少ないですね。

 

ただ、この個人版私的整理ガイドラインは、破産しなくても債務免除を受けられること、原則として500万円程度の現預金を手許に残せること、破産の場合と異なり、新たな借入可能なことなど、破産や個人版民事再生に比べて、債務者側により有利な内容となっていますから、被災者でローンを抱えている方なら、大いに検討してみる余地があります。

 

ガイドライン運営委員会は、電話による相談の他(電話:0120-380-883 平日の9時から17時まで)、東京、青森、岩手、宮城、福島、茨城の各支部でも相談を受けつけています。相談料は無料ですから、話だけでも聞いてみる価値はあるでしょう。