将棋との再会

(前回はこちら

 

中学生のとき、どうしても勝てない相手に出会ってから、将棋を封印してきた。

そして、いつしか将棋の本や雑誌は本棚から消えていき、

将棋盤は押し入れの奥で眠りにつき、

新聞で将棋欄を眺めることもなくなった。

 

このまま進めば、再び将棋に触れることは、二度となかったであろう。

が、ある出来事をきっかけに、私は将棋に引き戻された。

 

ある夏、妻の実家へ里帰りしたときのこと。

妻の祖父の家へ挨拶に行った。

そのとき、どのようなきっかけで祖父と将棋を指したのかは、覚えていない。

ただ、気が付けば、私と祖父は将棋盤を挟んで向かい合い、対局していたのだ。

結果は、祖父の速攻を受け止めきれず、完敗だった。

(今思えば、そのときの祖父の戦法は、「ゴキゲン中飛車」だったような気がする)

 

そのとき、不思議と悔しさは感じなかった。

ただ、「もう一度将棋に取り組み、今度はもっと良い勝負をしたい」と思った。

 

そこで、もう一度、NHKの「将棋講座」を読み始めるところから再スタートした。

その後も祖父とは何回か対戦し、勝ったり負けたりしていたが、

その頃には、すっかり将棋ファンに戻っていた。

 

その後、祖父は亡くなってしまったが、

今でも将棋とのつきあいは続いている。

 

今のところ、自分の立ち位置は、もっぱら「見る将棋ファン」に留まっているが、

そのうち、「指す」方もボチボチ取り組みたい。

 

そんなことを考えながら、今日は、「よくわかる矢倉」という本を読んでいる。